なぜ機能するKPIは割合や比率でないといけないのか?
流し読みしかしていなかった「Lean Analytics」ですが、あらためてしっかり読んでみると仮説と検証/データドリブンのチームを作る上で大切な”指標、計測、分析”の本質がチラホラ。
意外と間違いが多いKPI設定における3つのポイントをメモ。
なぜ、KPIは割合(ratio)や比率(rate)でないといけないのか。
1.Ratios are easier to act on(割合は行動を容易にする)
車の運転を思い浮かべるといい。目的地までの「距離」はとても大事な情報だが、「スピード(時間/距離)」は今の状態を教えてくれる指標なのですぐに運転にフィードバックできる。今のスピードが分かれば、目標の時間までに目的地に着くために急いだり、ゆっくりしたり行動を変えることができる。
2.Ratios are inherently comparative(割合は本質的に比較しやすい)
スピードという指標は、今のスピードと平均のスピードを比較することによって加速すべきか、スローダウンすべきかすぐに教えてくれる。突然のスパイクなのか、長いトレンドなのかがひと目でわかる。
3.Ratios are also good for comparing factors that are somehow opposed, or for which there’s an inherent tension(割合はまた、反対要因や本質的な緊張を保つ上での良い比較指標)
これは車に例えると高速チケットで割った移動距離かもしれない。より早く着くためにはよりたくさんの高速チケットが必要になる。割合は、スピードリミットを越えるか越えないかを提案してくれる。
よくわかるレストラン経営の事例
本書で出てくる”Solare Ristrante”の事例がより分かりやすい。このレストランでは次のKPIをおいています。
KPI=スタッフコスト/合計売り上げ
実はこのKPIは外食産業では良く知られたものだそう。このKPIの良いところは
・スタッフコストも売り上げもどちらもコントローラブル
・業界的にベースライン(30% )が知られている
という点があげられます。この「割合」指標の利点をまとめると
・Simple:たったひとつの指標
・Immediate:毎晩すぐに確認できる
・Actionable:スタッフを変更したりアップセルを試みたり毎晩チューニングができる
・Comparable:毎晩比較ができ、業界平均とも比較できる
・Fundamental:レストランビジネスモデルの二つの基本的な側面を反映している
KPIにしてはいけない8つの指標
ちなみに本書ではKPIにしてはいけない指標に関しても言及していますので、補足メモ。
・Number of hits(ヒット数)
・Number of page views(PV数)
・Number of visits(訪問者数)
・Number of unique visitors(ユニークビジター数)
・Number of followers/friends/likes(フォロワー数/フレンド数/like数)
・Time on site/number of pages(滞在時間)
・Emails collected(集めたメールアドレス数)
・Number of downloads(ダウンロード数)
昨日の数字ではなく明日の数字、昨日の顧客ではなく明日の顧客のために、遅行指標ではなく先行指標に注視しましょう。
> こちらも参考に:Pinterestのグロースチームが活用する4つの分析フォーマット
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