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2011-12-12

あの「color」がフルリニューアルしてローンチ、そのピボット全貌。

今年の春に話題をさらった写真共有アプリの「color」が完全リニューアルしました。

以前のエントリー「6ヶ月の沈黙を破ってあの「color」がまさかのFacebook連携で完全復活?」でもレポートしましたが、$41Mという巨額な資金調達と斬新なコンセプトで今年3月に鮮烈なデビュー、メディアで持ち上げられたまくったものの鳴かず飛ばずで完全に沈黙状態になっていた「color」。9月に海外Tech系メディアにてFacebook連携にて再スタートの記事が踊っていましたが、いよいよ先週フルリニューアルしてローンチされました。

Colorcom

記事にした9月時点での状態から、colorチームはHarverdの学生だけにエクスクルーシブでbeta版をリリースしてかなり改善を加えた模様です。上記.comのサイトを見てもロゴもデザインも一新、さらに使ってみると以前の「color」とは全く異なるコンセプトのアプリになっていました。というかもう別アプリです。何がどのように変わったのか、そして今回のポイントは何なのか、簡単にまとめたいと思います。

 

1.コンセプトは”ステイタス更新の再発明”

FacebookやTwitterなどのソーシャルネットワークによって、ユーザーは簡単に自分が今どこで何をしているのか友達や家族に簡単に共有することができるようになりました。具体的には自分が何をしているかTwitterにつぶやいたり、今いるレストランの食べ物を写真にとってFacebookにコメント付きでアップデートしたり。こういった既存の「status update(ステイタスの更新)」を再発明しようというのが今回の「color」の新しいコンセプトです。

そこで彼らが提案するのが「Visit」という世界観。具体的な手段としては「Video」を使います。厳密には「Video」では無いのですが、それは後述します。ちなみに「Video」の共有サービスならもちろんViddyやSocialcamなど枚挙にいとまがないのですが、新生「color」のポイントは次の2点です。

①完全にFacebookオリエンテッドのサービスにしたこと

②「Video」は30secでかつ、音声をOFFにしたこと

①はInstagramをはじめPhotoやVideo共有サービスの多くは「Facebookにもtwitterにも共有できる」という形でなるべく多くのプラットフォームに対応して、なるべく多くのトラフィックを自社のサービスに集め、その中で独自のネットワークを作るというやり方でした。以前の「color」はむしろどのネットワークにも依存せずに「偶発性による全く新しいソーシャルネットワーク」を作ろうとしていたわけですが、ここをFacebookのプラットフォーム上に完全に載ったサービスとし、あくまで新しい”ステイタス更新”の場所を作ることに集中(Foucs)する判断をしました。これはこれで良い判断だと思います。

ただし、今回の本当のポイントは②なワケです。実際9月の時点で彼らがやろうとしていたのは「Live Streaming」でのステイタス共有でした。しかしbeta版で実際Harverdの学生に使ってもらう中で出てきたフィードバックは、「Live Streamingは気が重い」という事実。確かに生放送だと何か構えてしまうし、写真ほどの手軽さはありません(そう考えると「写真」というのはこのソーシャルな時代において本当にすごいメディアだと思います)。そこであえての”制約条件”として30秒という尺を設けました。さらに手軽さを実現するために音声をOFFにするという選択。言わば「Video」ではなく「動く写真」という新しい手法を選択しました。

 

2.Visitは”動く写真”で実現するPushではないPullの世界

しかし、手法はどうあれ、「Visit」が「ステイタス更新の再発明」となるのかどうか。あえて結論を考察することはやめますが、少なくとも「Visit」という世界観は面白い目の付け所だと思います。Facebook上で彼らがやろうとしていることは、少なくともFacebookと補完関係にあると思うからです。例えば、新生「color」では自ら30秒の動く写真をホストすることもできますが、コアな「Visit」のユースケースはこうです。

①「Feed」に自分の友達が最近アップデートした写真が表示される

②ある友達がUPした夕焼けの写真がとても奇麗。これもっと良く見たいなと思う。

③その写真をアップした友達のページに行き、「Visit」ボタンを押してホストを依頼。

④プッシュで通知を受けたその友達は、すぐに夕焼けのホストを始める。

つまり今までのソーシャルネットワークの「ステイタス更新」というのは”Push”型がほとんどでした。各ユーザーが今の気持ちや出来事、写真などを気のみ気のままに垂れ流していくというものです。しかし上記ユースケースからも分かる通り、新生「color」が提供する「Visit」はむしろ”Pull”の世界観。「Visit」が無ければソーシャルネットワーク上に共有されることの無かった世界が共有されていく、それが「color」がやりたいことなんじゃないかと思います。

 

3.UIに関して

最後にUIに関して。これも大幅に変更されたのでスクリーンショットにてご紹介。チュートリアルまでの”体験”は結構良かったのですが、本サービスのUIは割と普通でしたというのが感想です。

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以上チュートリアル。ちょっとくどいんですが、シンプルでオシャレで凝ってます。

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「Feed」にはFacebook Friendsの最近のアップロードされた写真が表示されます。これが「Visit」のキッカケになるわけですね。

Photo_11-12-11_22_45_21

本体Facebookにならって、「Timeline」のページには自分のアップロードした写真が見れます。

基本的には「直線」を基調としていてシンプルなUI。この辺は最初の「color」に通ずるところがありますね。ただ最初の時ほどインパクトはなし。

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さて、新生「color」ですが、正直ものすごく流行りそうかといったらそうでもない気がします。もう1、2回小さなpivotがあればわかりませんが。今後の改善に期待したいです。


[参考記事]

With Facebook At Its Core, Color Will Relaunch As Champion Of The Video Status Update

 

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