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2011-09-25

6ヶ月の沈黙を破ってあの「color」がまさかのFacebook連携で完全復活?

Instagramの成功を受け、昨年よりスマートフォンでのソーシャルな写真共有サービスが次々と登場してきました。その中でも斬新なアイディアと何よりもプレローンチの時点での$41Mという巨額な資金調達によって話題になったサービスが「color」です。

Colorshot1

今年3月のリリース時点では大きく話題になったが、その後ユーザー数は伸びず、Tech系メディアにみっちり叩かれ、以来約6ヶ月全く話題に上ることは無くなりました。たまにcolorについて意見を交わすことがあるとすれば、それはまったくの”バブル”だったというのが共通の意見。

なぜcolorがバブルになったのか、先ずはその要因について簡単に考察します。

 

友達/知り合いベースのソーシャルグラフからの脱却

丁度colorが話題になる直前にポストされたこのTechCrunchの記事「関連性の時代の幕開け」が象徴するように、この時期Tech界隈ではTwitterやFacebookが作りあげた”ソーシャルグラフの次”を探す議論が活発化していました(もちろん今でも)。その中で、今後の大きなトレンドとしてある程度共通認識だったのが、

「モノや情報は今後より人をベースに流通していく。その人と人とのつながりは、友達や知り合いをベースとしたものから、共通の趣味や同じ場所などの”関連性”がより重要になっていく」

というものでした。リアルなソーシャルグラフを制したのがFacebookならば、次なるFacebookは関連性や偶発性から構築されたソーシャルグラフを握るサービスというわけ。その中で映画や音楽など趣味にチェックインすることによって”インタレストグラフ”の形成を目指したGetGlueなどのサービスが台頭してきました。まさにそんなタイミングで、既存のソーシャルグラフによらない、場所と関連性によって偶発的に写真がつながっていくことによって「Elastic Network」の構築を標榜したcolorが注目を集めない訳が無かった。

こうしてcolorは巨額な資金調達を可能にしたのだが、そのサービスは全くもってユーザーメリットを考慮していなかった、というよりは、大きくステップを間違えたと言わざるを得ないですね。このサービスは周りで使っているユーザー数があるティッピングポイントを越えない限り、全くもって価値がない。というかユーザーがそのサービスの本質に触れることができない。その結果、そのティッピングポイントを越えることなく現在に至ります。

 

新colorはFacebook連携と疑似訪問(virtually visit)がポイント

前置きが長くなってしまいましたが、そんな死にかけたcolorはまだ死んでいなかった。正確には、一度は死んだがその失敗の要因をふまえ、生まれ変わろうとしています。以前よりcolor labsのメンバーがコードネーム「Blue」と呼ばれる新たなサービスのテストをしていることが報道されていました。そこの「Bule」が先日のFacebookのdeveloper向けカンファレンス「f8」にてFacebookと深く連携する「新color」として発表されました。事実、旧バージョンのcolorは既にマーケットからは削除されており、専用ページcolor.comはこちらのように生まれ変わっています。

Color

詳しいリニューアル内容はTechCrunch[英文]にて紹介されているので、こちらでは簡単に今回のリニューアル内容と戦略を読み解きます。先ず大きな変更点、機能追加は以下の2点。

1.Facebookとの深い連携

2.「Visit」というLive Streaming機能の追加

先ず1に関しては本当に大きなPivotだと思う。そもそもFacebookなどの既存のリアルをベースにしたソーシャルグラフからの脱却がcolorの大きな価値だったと思うのですが、結局は見ず知らずの人とプライベートな写真を共有するというコンセプトが突飛すぎた結果と言えるでしょう。ただし、「場所をベースにつながる」という部分のコンセプトは受け継がれ、近くの友達から順に写真が表示されるなどの機能になりそうです。また、ソーシャルグラフに関しても新アプリではFacebookの友達と、友達の友達までという枠まで広げ、独自のソーシャルグラフや「発見」という部分への配慮が見て取れます。

2は中々面白いコンセプト。共有された写真に興味があった場合は、すぐにLiveStreamingでその”場”を共有することができる。FaceTimeと違って双方向のLiveではなく、受け手が興味がある場を共有して欲しいと申請し、送り手側のみその場をLiveで共有するプラットフォームになりそう。日本でもTwitCastingが一時期流行りましたが、結婚式の様子を友達とその友達までのネットワークでLive中継したり、カラオケでの盛り上りを共有したり、まさにこういった使われ方が想定されますね。

 

また、ローンチマーケティングにおいてもしっかりと前世での失敗をいかしています。周りの人が使っていないと価値が分からないというジレンマが前回のcolorではあったが、今回のローンチでは”Zuckerbergスキーム”を導入。つまりハーバードの大学生からエクスクルーシブでスタートする。先ずはコアなコミュニティでマーケティングを集中し、そのコミュニティでのデフォルトプラットフォームを獲ることによって、そこからサービスを拡大していく方法。これならば一斉にスタートして全ユーザーから総スカンという前回の失敗は防げそう。日本でもwondershakeが地域を限定してからのリリースをしていますが、”受け手”が初めていて成り立つサービスや、”人気(ひとけ)”が重要なサービスにおいては効果的な手法だと思います。

 

新しいcolorはcolor.comyよりFacebook経由で招待リクエストを受け付けています。いち早くサービスを試してみたい人は今のうちに申請しておくことをオススメ。

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