toggle
2011-09-26

Instagram v2.0メジャーアップデートにおける絶妙な戦略

言わずとしれたInstagramは昨年10月にリリースして以来、常に素晴らしい改善

を重ねてバージョンアップをしてきましたが、先日初のメジャーアップデート

となるver.2.0をリリースしました。

 

Photo_11-09-23_19_37_19

 

アイコンのブラッシュアップやフィルタの追加など様々な改善個所もありましたが、

なんといってもメインとなるのはカメラ撮影時のフィルター、ティルトシフト適応

などのInstagram内の「カメラ撮影」時における圧倒的な機能改善です。

 

この「カメラ撮影」にフォーカスして大幅にアップデートした点にInstagramの

重要な戦略を見ることができます。ちょっと考察してみようと思います。

 

最近話題になったCEOのKevin Systromが語ったInstagramの成功ストーリーにも

ありますが、彼らは自らが考え提供する「ソリューション」に注目するのではなく、

そのサービスで実際に発生している「問題」にフォーカスしています。

 

また、Instagramの現状の強みは以下の3つであると考えます

1.iPhoneにおける手軽な写真共有アプリとして圧倒的No.1のブランド力

2.Facebook、Twitterなど外部サービスを統合したシンプルな写真共有体験

3.アクティブユーザー数と独自ソーシャルグラフ

 

逆に彼らが今抱えている(もしくは今後向き合わないといけないであろう)課題

と想定されるのが「どのように収益化するのか?」という点。

恐らくまだ強引に収益化にサービスの舵を切ることは無いと思いますが、少なか

らず今後のファンディングを含めて「収益化に対する動き」を出さないと彼らも

動きづらい点はあると思います。

 

そこでこの収益化という「課題」に対して、またInstagramというサービスが現在持つ

「問題」に対する答えが「カメラ撮影」機能の大幅アップデートだと思います。

 

「問題」を抽出するにあたって、主にヘビーユーザーを中心に考えます。

彼らも恐らく上位2割のヘビーユーザー、エヴァンジェリストユーザーに対して

フォーカスして意思決定をしているものと考えます。

 

私も含めてInstagramのヘビーユーザーの多くのユースケースは、

①写真撮影はデフォルトのカメラ or 他のアプリ

②フィルタなどの写真加工も他の複数のアプリ

③保存した写真をCamera rollから選択し、最後にアップロードするのがInstagram

という流れです。

 

ここまでしてなぜ最後にInstagramにアップロードするのかというと、彼らの強み

の3である独自のソーシャルグラフがあるからです。つまりヘビーユーザーは写真

自体はもちろん、本質的にはそれをフックとしたInstagram内のフォロー&フォロワー

とのコミュニケーションを楽しんでいる。

 

Instagramとしてはよりユーザーを「写真共有体験」の最初から最後まですべてを

Instagramで提供することが重要であり、例えばフィルター課金など収益化の手段

などの可能性を広げる意味でも①と②をInstagram内へ持ってくる必要があります。

 

つまり①と②がInstagramで提供できていないというのが、今回のver.2.0で解決した

かった「問題」だと推測できます。

 

その「問題」に対してこれほど素晴らしい改善を実装してくるところはInstagramは

流石と関心せざるをえません。フィルター効果、ティルトシフト効果を見ながら撮影

できる機能はもちろん、実際使ってみると効果適用のスピード感、直感的な操作性

が特に素晴らしい。

 

約1年で1000万DLを獲得するであろう素晴らしい実績ですが、その裏には綿密な

戦略と技術力があるということですね。

 

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です